ELSIの考え方の基本は、生命は、自然界でエネルギーと物質の流れが密接に結びつけている開放系において、多様な地質学的プロセス間の協同の結果現れるということです。地質学と生物学を分離してそれらの違いを強調する代わりに、我々は共通の文脈の中で、統一的な理解を進めようとしています。
生命の起源研究の新しい枠組み:ELSIモデル
鍵となる概念は、多様化と選択の繰り返しです。星間雲からの恒星と惑星系の形成に始まり、多様な惑星環境の出現、自己複製できる化学システムという重要なハードルを克服した進化の可能性の獲得、さまざまなエネルギー源を利用した多様な生命体の形成、そして何十億年にも及ぶ惑星と生命の共進化、などです。
生命の起源の解明とは、ひとつの、あるいは一連の出来事をただ再構成することではありません。むしろ、その主な主題はプロセスでなければなりません。生命の起源に関する完全な理論とは、基礎的な物理、化学の原理と、多様な可能性を含みつつもそれらを選択的に狭め階層的で堅牢なシステムを作るバイオスフィアの総体とを結びつける、一連のプロセスを示すものでなければなりません。