入舩徹男愛媛大学教授(ELSI主任研究者・愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター長)が、平成27年春の科学技術に関する紫綬褒章を受章することが決定しました。伝達式は5月15日に行われる予定です。


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入舩教授は高圧地球科学分野において、地球深部の化学組成と構造、沈み込むプレートのマントル深部での挙動、含水鉱物の安定性と地球深部における揮発性元素の循環などに関する先駆的な業績をあげています。ELSIにおいては、主任研究者・愛媛大学サテライト長として、固体地球深部の化学組成と地球の起源・進化・ダイナミクスに関する実験的研究に取り組んでいます。
一方で入舩教授は、独自の超高圧合成法を新物質の合成に適用し、ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)を初めとする新物質の開発に成功し、超高圧材料科学とも称される新しい学術分野の開拓においても多大な業績をあげています。ヒメダイヤが多結晶体であるという特徴を利用し、超高圧下でのX線吸収実験による局所構造解析において、従来の単結晶では得られない高精度のデータ収集が可能なことがわかってきました。ヒメダイヤを利用した超高圧下X線吸収実験は、ELSIの野村龍一研究員らとも共同研究が開始されています。